私は会食恐怖症を持っています。会食恐怖症とは、人前で食事をすることに対して、不安や恐怖を感じ、吐き気やめまい、手足の震えなど…、そのような症状が出てしまう心の疾患です。
ちなみに、私は、人と食事をする場面で、手足が震え、目の前がぼやけ、耳が遠くなり、吐き気に襲われます。何も口にしなければ、その具合いの悪い状態で、その場に存在することはできます。
でも、そのような状態で、一口でも食べてしまうと、貧血のような状態になって倒れてしまいます。
今回の記事では、教育実習に行った私の「給食でのエピソード」を紹介します。
教育実習「子どもと一緒に食事ができない…」
私は、教育学部で小学校の先生を目指していました。教育実習で3週間、小学校に行かなければいけません。つまり、3週間、給食を食べなければいけません…!!
もう、想像しただけで震えます、こわいです、無理です……。
そんなことを言っても、教育実習をしなければ先生にはなれません。
教育実習1日目。給食はスパゲッティでした。一口食べたら吐き気に襲われました。子どもたちの前で倒れるわけにはいかないので、なんとかこらえました。
しかし、給食をすべて食べきれるわけもなく…。
- 「先生、スパゲッティ嫌いなの?」
- 「あっ!もうおなかいっぱいなの?」
- 「残しちゃだめだよ!がんばれがんばれ!」
と、昼休み中、子どもたちに囲まれていました…。情けない…。
先生たちの会議で問題にされる
もちろん、こんな教育実習生は問題です(笑)担当の先生に呼び出されて怒られ、校長先生に呼び出されて注意を受け…、大学にも連絡がいき、大学の先生から電話が…。
関わったことのない先生方にも
「牛乳で流し込めばいいんだから。がんばって食べきりなさい。」
と言われました。
分かっています。そんなこと分かっています。食べなきゃいけない、食べたい…、でも食べられないんです。
それからも、毎日、食べきることができず、子どもたちに応援されながら、昼休み中、給食とにらめっこの日々でした…。
保護者からのきつい言葉
教育実習をはじめて1週間が経った頃…。保護者に呼び出されました。
「子どもから、(教育実習の)先生がいつも給食を残していると聞きました。そんな人、先生になる資格はない。やめてください。」
そりゃそうだ。保護者からしたらそりゃそうだ。
このとき、大学3年生の私は「すいません…。がんばります…」と言いながら、保護者がいなくなってから、一人で号泣。
思い出したくもないくらいつらかったなあ…(苦笑)
子どもたちからのあたたかい言葉
そんなつらい中でも、子どもたちからの嬉しい言葉もありました。
- 「今日は昨日より食べられたね!」
- 「(担任の)先生!聞いて!Roco先生がハンバーグ半分も食べてるよ!すごい!」
- 「Roco先生ってあまり食べれないけど、全部ちゃんと食べてるね」(少食だけど、嫌いなものはないね、という意味)
子どもたちは、本当によく見てくれていました…。こんな情けない私でも、毎日成長しています。
自分でも、昨日よりは食べられたなと思うのですが…。子どもたちもそれに気づいてくれるんです。
こんな子もいました。
「給食食べるのつらかったら、僕が食べてあげるから、こそっとお皿に入れてもいいからね!」
いや…。もう泣きそうでした…(笑)
そして、最終日の給食後…。一人の子に呼び出され…
「Roco先生、毎日頑張っていてすごかったよ!もし、これからごはん食べるときにつらかったら、一緒に食べてあげるからね」

優しい言葉とともに、ノートの端をちぎって書いた「券」をもらいました。嬉しかった…。
会食恐怖症、悪いことばかりじゃない
今回の記事では、教育実習でのエピソードを書きました。先生方や、保護者に呼び出され、怒られたり、注意されることは、すごくつらかったです。
その人たちの言うことも、もちろん、よく分かります。でも、できないものは、できないのです。
今、思うことは…
医者で診断書をもらっておけば良かった…!
自分が「会食恐怖症があって、給食が食べられません」と伝えても、「がんばればできるでしょ?」と言われてしまいます。
もし、診断書があったら、何か変わったかもしれないなと思うのです…。
とはいえ、教育実習では、子どもたちのあたたかさに触れられたのも事実です。子どもたちに応援されながら給食を食べるなんて、なかなか経験できません(笑)
今回は、教育実習での給食のエピソードを紹介しました。
私は、まだ、会食恐怖症を克服していないので、克服の方法のようなお役立ち情報は発信できないのですが…。
会食恐怖症について知ってもらえたら嬉しいです。
読んでいただき、ありがとうございました!